感情を抑えることに7割のエネルギーを費やす現代人
私たちの日常には、
「ストレスやマイナスの感情を持たないふりをしなければならない」
例えば、朝の満員電車の不快さ。
上司や取引先から降りかかる理不尽な叱責や、
夫婦間でくすぶる不満やイライラ、社会に対する不安や怒り。
嫌な出来事に対して、 心の奥底では「キツイ」「辛い」と感じていても、
日々のタスクに追われている現代人は、
その感情をいちいち意識して入られません。
些細な感情に振り回されていると、日常のサイクルが回らなくなり、
この社会をうまく生きていけないと思っているからです。
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そこで私たちは、気づくと都合が悪い感情を、
心の箱にぎゅっと押し込んでいきます。
例えば、部下が上司の説教を適当に受け流すことはよくあります。
ただし、本当の意味で「適当に受け流している」部下は少数派でしょう。
彼らは、「傷ついた」ことを認めてしまうと、先に進めないために、
「傷ついた」と言う感情を心に押し込め、「適当に流すフリ」をしているのです。
そして多くの人は同じようなことを、子供の頃からずっと続けています。
つまり、感情を感じないフリをするのは、
ストレスに対する心の防衛反応であり、
組織の秩序やサイクルを保つための工夫でもあるのです。
だから、決して悪いことではありません。
しかし日常的に感じないフリを繰り返すと、
感情のアンテナはやがてさびつき、鈍感になっていきます。
これこそ、私たちが幼い頃から繰り返してきた
「感情を感じないトレーニング」なのです。
日常のあちこちで生じた、 「感じなかったことにしている」感情は、
決して自分の中に生まれなかったわけではありません。
未処理のまま「感じてはいけない」と心に封じて、しまっているだけなのです。
この封じ込められた感情は、いつしか火山のマグマのごとく煮えたぎり、
心の中で噴火寸前の状態にまで膨れ上がってきます。
これが、自分で味わうことができずに、箱に入れてしまった感情。
つまり、未処理の感情です。
マグマのごとく吹き上げてきそうな未処理の感情は、
日常で受ける些細なストレスに過敏に反応し、キレる、 癇癪を起こす、涙が溢れるといった
現実への作用を及ぼしてきます。
当然、一人一人がそれを抑えなければ、私たちは、社会生活を継続させられません。
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現代人の多くは、人生を発展させるエネルギーの約7割を、
爆発しそうな感情を抑えるためのブレーキに使っていると言われています。
つまり、私たちは、肝心の人生を前進させることに、
残り3割のエネルギーしか使えていない。
だから、現実がいつまでも思い通りに進まないのです。 もったいないですね。
「頑張り屋」、「努力家」と称される人ほど、
「進みが遅い」と感じて、さらに懸命にアクセルを踏むでしょう。
しかしそれでは、アクセルとブレーキを両方踏んでいるようなもの。
このままでは、エンジンがいつか焼き切れてしまいます。
日常をよくしていくためには 感情を解放していくことがとっても大切なことです。
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